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「えへへ、
凄いでしょ!!
私にかかればあんな雑魚一撃よ!!」
少女が得意げに言う。
「えっ何?
あんた何者?」
信夫はいまだ状況が掴めない様子で尋ねる。
「アッハッハァ~!!
よくぞ聞いてくれたわね!?
私は冥王ハデスの血を継ぐ伝説の死霊使い(ネクロマンサー)なのだぁ~!!」
信夫の思考が一気にメルトダウンする。
えっ?
冥王?
ネクロマンサー?
訳が分からない・・・
「やっぱ電波ちゃんか?
お前・・・」
数秒固まった後ようやく言葉が出る。
「あ~!!
また言った!!
何なのよさっきから電波電波って!!
今の見てなかったの?
私は本物よ!!」
確かにさっきのはどうやっても説明できない。
しかしそれがかえって信夫を混乱させる。
一回頭を整理しようと少女に背を向ける。
「あ~もう私の話聞きなさいよ!!
さっきからなん――」
少女が後ろで喚き立てる。
うるせ~なこっちは思考が全く追いついていないんだよ。
ふと視線を上げると数メートル先で何かが蠢いている。
何だあれ・・・
突如その何かから三角錐状の物体が高速で伸びて来る。
「あぶねぇ!!!!」
咄嗟に後ろにいる少女を突き飛ばす。
「キャァッ!!
ちょっと何すんの――」
少女が尻餅もつきそこを摩りながら顔を上げると信夫の胸が何かに貫かれていた。
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