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「ゴファッ!!」
口から大量の血を吹き出し地面を紅く染める。
そしてその何かは力尽きたように液状化する。
「チッ!!
しぶとく生きてたのか・・・」
少女は足元にあった怪物の肉片を蹴り飛ばす。
(ドサッ)
信夫の体が膝から崩れ落ちる。
それを見た少女が慌てて駆け寄る。
「ちょっと!!
大丈夫!?」
薄れ行く意識の中で少女の声が微かに聞こえた。
・・・ったく大丈夫な訳ね~だろ。
痛い・・・
苦しい・・・
これが死ぬってことなのか?
でもまぁいいか・・・
これでこのくそつまんね~人生ともおさらばだ・・・
少女が仰向けにしてくれたのか視界が目まぐるしく移動する。
ああ駄目だ視界までもが薄れていく・・・
「ちょっと起きなさいよ!!
私のために死ぬなんて絶対許さないんだから!!」
ったくうっせ~な・・・
んなこと言っても――無理――だ――ろ・・・
もはや自分が呼吸をしてるのかどうかすらわからない・・・
どっちが上でどっちが下か右か左か平行感覚も無くなり訳がわからなくなる。
もう苦しみすら感じない・・・
目を閉じると少女の声が聞こえる。
「グスッ・・・
なんで起きてくれないの・・・
ごめんなさい、
私のせいで・・・」
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