2人が本棚に入れています
本棚に追加
小さい頃から猫がいた。
母がキジ猫が好きだったので大抵キジ柄で名前は「たま」というのが決まりだった。
母はよく猫を拾って来、「たま」と名付けていた。たまは一週間と たたずにもらわれてゆく。
それがひどく寂しかったことを覚えている。
ある時、小学生の弟が猫を拾ってきた。
拾ってきたというのは語弊がある。
塾の帰りに近道と小学校を通ったら子猫がついてきたそうだ。
弟が、どうしようと聞いてきた。
即刻、家にあげて自分の部屋でミルクやらイリコをあげた。
「どうするの?猫」
「内緒で飼おうか。」
うちに猫が長くいた試しがない。
犬がいるせいかもしれない。
「でも、バレたら怖いよ。」
子猫はガリガリに痩せていて、黒のシマシマ。アメリカンショートヘアーであることを後で知った。
今、この家にいるのは弟と私だけだ。両親はまだ帰っていない。
最初のコメントを投稿しよう!