たま

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子猫がミルクを飲み終えた頃、母が上機嫌で帰ってきた。 母の眼前に子猫をつきつけて 「この子、飼ってもいい?」 母は数秒、固まった。 そして歓声をあげた 「まー。可愛い。お母さんこの柄の猫が好きなの」 母いわく、別の柄だったらソッコー元いた場所に戻して来いと言うとこだったらしい 「名前、なんしよ?」 「たまがついているからたまよ。」 「また、たまなの?」 「猫でたまがついていたらタマと決まってるのよ。」 母は天然である。天然であるがゆえに変なことを言う。 母はタマを大層気に入ったので、誰かにもらわれてゆくことはなかった。
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