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私と恵里佳の席は、廊下側の一番後ろ。 必然的に人の出入りも多いいわけで、休み時間になるとそれだけで賑やかになる。 さらに守谷君の周りに人が集まる為、後ろのドア付近は常に混雑状態だ。 とはいえ、何も女子ばかりが集まっているわけでもなく、バスケ部の友達やらなんやらでその数は男女平等。 「‥‥あんた天の邪鬼だねぇ」 胡散臭さそうに隣を見ていた私に恵里佳が呆れてつぶやいた。 「人は見かけで判断しちゃいけないってお母さんが言ってたし?」 「それが天の邪鬼だってば」 「‥‥」 別に嫌なことをされたわけでもない。 むしろまだまともに話してもいない。 だけど何となく信用出来ない感じがするのは何でだろう。 (よくわからないけど、あんまり関わらないでおこう‥‥) でも、そんな風に思っているときに限って関わる羽目になってしまうのは何でなんだろう。 ‥‥やっぱり私は運がない。 自分の運の無さを呪う事になったのは、席替えからさらに1ヶ月後のHRでの事。 [アタリ] 手のひらで引いたばかりのクジが私を嘲笑っている。 「菊池さん、よろしく」 「‥‥よろしくお願いします」 同じ[アタリ]クジを持って、守谷君は苦笑いしながら私に言った。 担任の小野が黒板に私達二人の名前を書いている。 《文化委員  守谷・菊池》 なんてツイてないんだろう。
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