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文化委員の初顔合わせは、自己紹介と簡単な仕事の流れで終わった。
「菊池、久しぶり」
クラスでの出し物に関する注意事項や参考事例が書かれたプリントを片手に立ち上がると、前例の方に座っていた香坂君が同じようにプリントを片手に近づいてきた。
「本当だね。1組のと7組じゃなかなか会わないね」
「そーだな。まあ校舎違うし当たり前か」
香坂君は1年の時のクラスメートで、2年からはクラスが違った為話す機会は少なくなった。
ただ、物腰の柔らかい彼は昔から何かと声をかけてくれたりする。
3年のクラスは旧校舎に1組から4組、新校舎5組から8組に分かれており、渡り廊下でつながってはいるものの特に用事がない限り行き来する事はない。
「香坂君は前も文化委員やってたよね?」
「うーん‥‥まあ文化系の部活の奴の方がメインイベントだし?顧問がうるさいからな」
彼はちょっと困った顔をしながら、文化委員をまとめる八嶋先生に目をやりながら「委員やってた方が何かと把握できるしな」と笑って言った。
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