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私達は急いでクジを引き、恵里佳の前まで箱を取りに来ていた委員長は、受け取った箱を次の列に運んでいった。
「清花のせいでじっくり選べなかったじゃん。」
「選んだとこで‥‥恵里佳クジ運ないでしょ?」
「清花こそあんの?」
「ないけど?」
「‥‥。」
「開き直りかよー」とぼやきながら、恵里佳は机に突っ伏した。
前を向き直ると、クジの箱は順調に最後の列を回っている。
小さく緊張しながら手の中のクジをソワソワと弄んだ。
どうか変な席じゃありませように‥‥。
「全員引き終わったかー?!
それじゃあもう見ていいぞ。
座席表を見て静かに移動するように。モタモタすんなよー。」
小野の一言で、カサカサとクジを開く音に続いて、教室中が「静かに」とは程遠くなる。
「‥‥。」
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