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心臓が、ドクン、ドクンと、速く動いてる。俺今きっと、目が泳いでる。
自然と俺の手は、胸を押さえていたようで、「あんたホントに解りやすい。」なんて黄に笑われる始末だった。
「兎月さんの言葉、まだ気にしてんだ?」
それは、ほんの数10分前の事。
『付き合うなら…うーん…明るくて優しい子!あと、嘘付かない子、ですかね、何時でも笑顔みたいな!心から笑ってる顔って可愛いですよね…───』
…罪悪感。
胸のモヤは此れだった。
俺は 兎ちゃんを 騙してる。
ほんとは、俺は、明るくない、優しくなんかない、嘘ついてるし、何時でも笑顔なんて…
(出来やしない。)
「兎月さんは多分、ホントの相模さん知っても、落胆しないんじゃないの?」
「や…俺は…
兎ちゃんに、嘘、ついたのが
や…なの…」
「嘘なんかじゃないでしょ」
「へ…?」
「俺には兎月さんが、表面だけで人を好きになるようには見えない。あんたの場合は特にね。」
「仮にホントの相模さんを、まだ兎月さんに見せてないとしても、これから見せていけば良いだけの話。…あんたは昔っから、事態を重く見すぎだよ、アホ。」
「だって…!」
「だってもなにもないの。
やるならやる、やらないならやらない。どっち?」
「…がん…ばる…」
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