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その後スーの授業が終わり、レイに大量に質問攻めが行われるかと思われたのだが、当の本人が
「わりぃwwwあんまりにも遊んだからジジィから呼び出し喰らっちまったwww今日は転校初日で早退するぜwww」
と言って、スーと共に教室から出て行ってしまったので、生徒達の好奇心は全てゲートへと向けられた。
「ねぇねぇ、ゲート君もレイ君と一緒でSランクなのぉ?」
「どこの学校から転校してきたの?てか、本当にイケメンだね!!」
「た、頼む、レイの弱点が一つでもあったら教えてくれ!!報酬には幾らでも出すぞ!!!」
矢継ぎ早に放たれる質問に、ゲートは苦笑しながらも答える。
「はは……、残念だけど僕はSランクなんて大したものじゃないよ。学校は通ってなかったけど、編入試験に合格して入ってこれたんだ」
最後のコウヤの質問を華麗にスルーして答えるゲートに、周りの生徒達はまたまた質問をしていく。
クレアはその様子を遠目から見ながら、どうせ奴もSランクなんだろうと見当をつけていたが、その視線を遮るようにミーナが仁王立ちをした。
……クソが。お前もゲートとやらの周りでウロチョロしてろよ。
と、心の中で毒づき殺気をこめた視線でミーナを睨みつける。
それに気圧されかけたミーナであったが、何とか持ちこたえ呟くように言葉を紡いだ。
「…………何も思わないの?」
「は?」
ミーナの言葉の意味が分からず思わず聞き返したクレアであったが、ミーナの顔をまじまじと見つめるとそこには明らかな異変があった。
その端正な顔立ちには似合わない鼻に詰められたティッシュ。
恐らく鼻血を止める為のものであろうがクレアからしてみれば、だから何?といったものだ。
一方、ミーナは何故かは分からぬが顔を真っ赤にさせ、
「……もういい!!死ね、カス!!」
と言って、鼻のティッシュを抜きながらゲート達の方へ駆けていく。
……訳が分からない。
至極当然の事を頭に浮かべながら、クレアは次の授業の準備をし、教室から静かに出て行った。
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