16786人が本棚に入れています
本棚に追加
/656ページ
「―――せぁ!! はぁっ!! ぜぁ!!」
薄暗い道場の中、金髪の少年――クレア・フォーリスは必死に剣を振るう。
剣を振るう先にいるのは、凄まじい形相でその剣に応える沢山のメイド達であった。
金属が鳴り響く音は、広い道場の中でもやけに大きく聞こえる。
「せぇああああああ!!」
クレアのその雄叫びと共に、剣から衝撃波の様なものが飛び出す。それと同時に、周りにいた八人のメイド全てが紙のように吹き飛んだ。
「……ぐ、はぁはぁ。……はぁ、は」
荒い息を整えようと、気を静めようとするクレアだが、それは叶わない。
「まだ終わらんぞ、クレア。百人抜きまでまだ二十人もいる、その様な動きではお前もまだまだだ」
どこから発しているのかも分からないその声は、疲労と、痛みの余り、倒れかけてしまいそうなクレアに無慈悲に突き刺さる。
そして、道場の入り口から大量のメイドがまたクレアを攻撃しようと現れる。
「はぁ、はぁ。……いいぜ、やってやる!!お前ら全員這い蹲らせてやるからよぉ!!」
クレアの雄叫びと共に、また鍛錬という名の戦いが始まる。
最初のコメントを投稿しよう!