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貴がそこへ向かうと教室の前に腰を抜かした生徒が座り込んでいた。
「あ あ あ あ…」
生徒は喋ることもできずに教室を指さした。
貴が教室を覗くとそこに…
荒木啓太がいた
荒木啓太は教室の中心にいてそこにあった周りの机は全て教室の隅に弾き飛ばされていた。
「はやく教室の外に出ろ」
貴が一喝すると、生徒は、はっとしたように逃げ出した。
「へっ、何みんな怖がってんだよ。こんなのなんかのトリックだろ。だいいち、荒木なんてもうこの世にはいな…」
ベチッ
メキキッ
グシャ
「貴、何があったの?…ひっ!」
千代がそこへ来た。
「えっ?」
生徒は何が起こったかわからない顔をしていた。
生徒は自分の腕をみた
生徒の腕は
肘から腕が逆関節にまがっていた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
その生徒は学校中に響き渡るような声で叫んだ
「あ あ あぁ」
千代は腰を抜かしていた。
「邪魔…しないで」
荒木啓太は静かに呟くと。その場から消え去った。
その場に残ったのは、生徒の悲痛の叫び声だけだった…
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