出現

4/4
前へ
/145ページ
次へ
5月1日…部室内… 「おはよー」 千代はまるで死人のような声で言った。 「おはようございます。先輩。」 菊治怜香だ 「あっ、菊治さん、おはよ、ってか、なんでここにいんの?今日、土曜日だよ。」 「お手伝いです!」 「へっ?」 千代はわけがわからなくなる 「調査のお手伝いをしにきたんです」 「あ ああ、そうなの…でもいいの?せっかくの休日だよ。」 「いいんです。楽しそうだし。それにこれは2年の問題なんだから、私がやらないと、言い出しっぺだし」 「ありがと、菊治さん。」 「いえ。」 そこへ貴が来た。 「おはようございます。」 菊治が挨拶をする が 「…」 貴はそのまま無視して部室の奥にいった。 「きっ、気にしないでね。朝はいつもあんなだから」 「そっ、そうなんですか?」 菊治がおどろいた風に言う。 「大変ですね、先輩。」 「うん。すごく」 千代は溜め息を漏らした。 ガチャ 貴がでてきた… 「…何見ている。」 「なっ なんでもありません」 「なっ なんでもありません」 二人は同時に言った。 貴は異質なものを見るような目でみたが、無視した。 「あっ、菊治さん手伝ってくれるんだって。」 千代が言う。 「しっている」 貴が言い返す 「なんで?」 千代がさらに言い返す 「昨日、言いに来た」 「あっ、そうなの」 っと、菊治を見ると菊治はうなづいた 「んでっ、なにすんの?」 「まず、荒木君が自殺したところに言ってみようと思う。それから荒木君の家に行く。」 「荒木君の家に行くの?」 「そうだ。」 「なんで?」 千代が聞く 「荒木君の事を知るためだ」 「ふぅ~ん」 千代は目を細めて言う 「なんだ?」 貴が聞くが… 「べっつに~」 千代は答えない。 「なら、いくぞ」 (はぁ、やっぱ、こいつにゃ、デリカシーが無いな) 「なにをしてる。とっと行くぞ」 「はぁーい」 千代はゆっくりとした足どりでドアに向かった。
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1057人が本棚に入れています
本棚に追加