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5月1日…部室内…
「おはよー」
千代はまるで死人のような声で言った。
「おはようございます。先輩。」
菊治怜香だ
「あっ、菊治さん、おはよ、ってか、なんでここにいんの?今日、土曜日だよ。」
「お手伝いです!」
「へっ?」
千代はわけがわからなくなる
「調査のお手伝いをしにきたんです」
「あ ああ、そうなの…でもいいの?せっかくの休日だよ。」
「いいんです。楽しそうだし。それにこれは2年の問題なんだから、私がやらないと、言い出しっぺだし」
「ありがと、菊治さん。」
「いえ。」
そこへ貴が来た。
「おはようございます。」
菊治が挨拶をする が
「…」
貴はそのまま無視して部室の奥にいった。
「きっ、気にしないでね。朝はいつもあんなだから」
「そっ、そうなんですか?」
菊治がおどろいた風に言う。
「大変ですね、先輩。」
「うん。すごく」
千代は溜め息を漏らした。
ガチャ 貴がでてきた…
「…何見ている。」
「なっ なんでもありません」
「なっ なんでもありません」
二人は同時に言った。
貴は異質なものを見るような目でみたが、無視した。
「あっ、菊治さん手伝ってくれるんだって。」
千代が言う。
「しっている」
貴が言い返す
「なんで?」
千代がさらに言い返す
「昨日、言いに来た」
「あっ、そうなの」
っと、菊治を見ると菊治はうなづいた
「んでっ、なにすんの?」
「まず、荒木君が自殺したところに言ってみようと思う。それから荒木君の家に行く。」
「荒木君の家に行くの?」
「そうだ。」
「なんで?」
千代が聞く
「荒木君の事を知るためだ」
「ふぅ~ん」
千代は目を細めて言う
「なんだ?」
貴が聞くが…
「べっつに~」
千代は答えない。
「なら、いくぞ」
(はぁ、やっぱ、こいつにゃ、デリカシーが無いな)
「なにをしてる。とっと行くぞ」
「はぁーい」
千代はゆっくりとした足どりでドアに向かった。
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