プロローグ

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背中を向けた千代に対し、貴は鋭い目付きで言った。 「部室に行って、資料をまとめてろ」 「はいはい、わかりました」 (全く人使い荒いんだからー) 千代はフッと息を吐いて、教室を出た。そこで、今日は珍しく遅刻しなかったことに気付く。 放課後、部室………… ここは貴と千代が使用している部室で、以前までは物置として使われ、それを千代が片付けて部室として使っている。 それよりさらに以前は視聴覚室として使われていた為、部屋は中々広く。 ソファが黒のテーブルを挟んで二つ、部屋のでっぱりの部分には給湯機、冷蔵庫までもがあり、部屋の入口から見て、奥の窓際にはパソコンまでもある。 「さぁって、こんなものでいいかな」 千代が纏めたのは全国の奇怪な事件の資料で、新聞の切り抜きやインターネットから刷ったものをファイルに閉じたりする。 千代は背筋を伸ばし、体の神経の膠着状態を緩くした。 その時… ドアを二回叩く音が響いた。  
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