黒髪乙女と魔法の属性

8/29
前へ
/545ページ
次へ
   縁の言葉で状況を理解した女子生徒は、あぁ、っと言ってからうなずくと廊下の窓から反対側の校舎を指差した。 「それでしたらあっちの棟の2階です。こちらの棟には生徒の教室はないんですよ」 言われてから反対の棟を見て、縁は気づいてしまった。 それは昇降口の上の階だったと。そのまま上がれば良かったものを、いつの間にか別の棟に移動していたのだ。 思わず出そうになったため息をこらえてお礼を言う。 「あ、ありがとうございます。じゃあこれから入学式なんで失礼しますね」 「いえいえ、新入生さん。これからよろしくお願いしますね」 そう言うと女子生徒は右手を出してきた。 縁も素直に応じ、同じように右手を差し出した。
/545ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7385人が本棚に入れています
本棚に追加