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縁の言葉で状況を理解した女子生徒は、あぁ、っと言ってからうなずくと廊下の窓から反対側の校舎を指差した。
「それでしたらあっちの棟の2階です。こちらの棟には生徒の教室はないんですよ」
言われてから反対の棟を見て、縁は気づいてしまった。
それは昇降口の上の階だったと。そのまま上がれば良かったものを、いつの間にか別の棟に移動していたのだ。
思わず出そうになったため息をこらえてお礼を言う。
「あ、ありがとうございます。じゃあこれから入学式なんで失礼しますね」
「いえいえ、新入生さん。これからよろしくお願いしますね」
そう言うと女子生徒は右手を出してきた。
縁も素直に応じ、同じように右手を差し出した。
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