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二人の右手が重なり自然と距離も近くなる。
制服の袖から出た細く白い女子生徒の指からははっきりと力が伝わってくる。
それと同時に恥ずかしさが込み上げてきて、縁の鼓動は自然と早くなった。
握ったままの右手と顔がやけに熱く感じる。
ふふ、っと微笑んだ女子生徒が力を抜くのに合わせて縁も手を放した。
「ではまたどこかで」
そう言うと女子生徒は縁とすれ違うようにして歩いて行った。
「…………ってヤバい、遅れる!!」
ふと我に返った縁は時間を確認する間もなく、教えてもらった場所を目指して急いで駆け出した。
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