黒髪乙女と魔法の属性

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「属性診断……属性って何のことだっけ?」 縁は一人だけ大きなクエスチョンマークを頭の上に浮かべていた。 「あんた……そんなことも知らないわけ? まぬけだと思ってたけど大まぬけね」 「じゃあ、お前は知ってるのかよ」 「もちろん。ていうか、うちの学園に来る生徒なら入る前から知ってて当然だけど、あんたホントは何なの?」 少女が地球外生物でも見るかのような目で縁を凝視する。 どう見てもその視線には軽蔑が入り混じっていた。 「いや俺は、本来ここじゃなくてだな、母親に無理やりだな。てか、俺が聞きたい……」 「あんた……大丈夫?」 改めて母親の身勝手さに落ち込み始めた縁はどんどん萎縮していく。 少女は距離を取るように体を後ろに引きながら少しだけ顔を引きつらせる。
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