黒髪乙女と魔法の属性

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 すると教室のドアが開き、外から現れた生徒が長嶋に何かを伝えている。 属性診断の時間がきたようだ。 「それでは皆さん移動します。保健室まで案内するのでついて来てください」 その声を聞いてみんなが動き始めた。 縁も同様に動き出す。 教室を出て歩いていると、ちょうど前には灯がいた。 「なぁ。さっきのことなんだけどさ、遺伝がどうってなんでまだわかってないんだ?」 「人間みんなに魔力があるってわかったのが約100年前。たった一世紀じゃそこまで研究が進まなかっただけの話よ」 なるほど、っと縁はうなずいた。 それを灯がチラッと振り返り見た。 「あんたホント何も知らないのね。その様子だとこれから苦労するわよ」 「なんでだ?」 「あんただけよ、何も知らなそうなのは。つまりスタート時点であんたはクラス最下位。下手したら学年最下位よ」
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