黒髪乙女と魔法の属性

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 そこには既に三人で集まっている生徒の組がいくつもあり、男子のみや女子のみ、男女混合のものなど様々だった。 「もう他のグル―プも出来上がってるみたいですし、今から探すのも大変ですよ」 「う、しまった……。このまぬけのせいで出遅れたわ。どうしてくれるのよ!!」 この世の終わりを迎えたかのような悲痛な叫びを灯は縁に浴びせた。 「まぁまぁいいじゃねぇか。これからこの三人でやっていくんだし。じゃあ、柊と……灯。よろしくな!!」 今日一番の笑顔で縁は答えた。それはさらに灯の表情を曇らせたが、柊は笑顔で答える。 「よろしくお願いしますね。灯さんと縁さん」 「はぁ……。あんた、あたしと柊の足だけは引っ張らないでよね!!」 こうして初日は終わりをむかえた。 この日はD組から女子生徒の叫びがよく聞こえたと学年で小さな噂(うわさ)となった。
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