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――慌ただしかった入学式の翌日、今日から新入生も上級生と同じように授業が始まる。
まだ属性しかわかっていない新入生にとって魔法に関する科目は一つの楽しみとなっている。
魔法という力を使えるようになることと同時に、自分の中の可能性を確かめられる絶好の機会となるからだ。
それは縁にとっても例外ではない。
「今日って魔法に関する授業は何がある?」
朝の教室でのこと。
真ん中の一番後ろの席に座っている縁は、横で難しそうな分厚い本を読んでいる灯に尋ねた。
灯は気にすることなく次のページをめくる。
「なぁ聞こえてるか?」
「黙ってて」
本から視線を外すことなく短くそう言うと、灯はまたページをめくった。
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