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それを面白く思わなかった縁はなお続けおうとする。
「なぁ……」
その言葉を遮(さえぎ)るかのように、パン、っと灯は本を閉じて縁を見た。
「あんた、火の魔法は誰に学ぶつもりなの?」
「そ、それは………………」
灯の急な言葉に縁は戸惑う。実は何も考えていなかったなんて口が裂けても言えない。
「一緒に実習をやる以上、足を引っ張られるのは困るんだから。もう少し真剣に考えなさい」
思わず体が硬直してしまう。
「それと、今日は魔法学の講義と実習があるってことをしっかり頭の中に叩き込んでおきなさい、このまぬけ!!」
そう言い放つと灯はまた手にしていた本を開いて視線を落とした。
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