プロローグ

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だけど、トキは止まらず動きだす。 オレの言葉で。 伝えたかった言葉。 届けたかった想い。 二人を沈黙が包みこむ。 きっといつものオレなら沈黙が続くのが怖くて、 「てな感じよ」 と笑いながら言って、キミに逃げ道を与えていただろう。 だけど、今日は違う。 真剣な想いが伝わるように、キミを見つめ、キミの答えを待つ。 キミはオレの想いをまっすぐ受け止め、真剣な顔で答えをだそうとしてくれている。 ふとキミの表情が緩む。 キミは優しく微笑んだ。 嬉しそうに、でもどこか寂しそうに。 そしてキミは、静かに口を開いた…
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