重心

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なっちゃんとは、卒業してからもしばらくは連絡を取っていた。 でも、それも自然と途絶えた。 学生の時に「春に"海猿"の映画を見に行こう」なんて言ってたけど、オレはなっちゃんではなく、ネーサンと行った。 ただ、なっちゃんのことだけが、薄れていったのではない。 社会人一年目の夏、オレは全てにおいて、どうでもよくなっていた。 会社とアパートを往復するだけの日々。 会社には上司と言う名の、将来の自分の姿があるが、それはなりたいと思えるものではなかった。 希望を失ったのか、初めから希望を持っていなかったのか。 そんな日々の中、オレの心は深く深く沈んでいった。
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