733人が本棚に入れています
本棚に追加
昼休みになり、俺は碧と食堂に向かった。昨日の夕食はダークマターに邪魔されて、食堂で食べれなかったし、朝は碧がいつも作るから久しぶりの食堂なのだ。
「零亜様、佐伯様、席の用意がございます。こちらです。」
食堂に着くと、先にいたメイド隊長が俺達を空いている席へと案内する。
メイドそのものだ。
席まで行けば、メイド隊長は頭を深々と下げて言った。
「では、ごゆっくり。」
メイド隊長は近くの親衛隊員が集まるテーブルに戻って行った。
「さすが俺の忠実なる僕だな。これは位の昇進も考えなければ…。」
「おい馬鹿、早く注文しろ。」
「お前と同じでいい。」
人間に合わせてみるのも面白いからな。
すると碧は何か含んだ笑みでウェイターを呼ぶボタンを押した。ウェイターはまもなくして、俺達のテーブルにやってきた。碧はやけにはっきりとした口調で注文した。
「焼き鯖定食二つ。」
「ちょ、ちょっと待て!」
俺が慌てて言うと碧はにやりと笑った。
「何だ?俺と同じでいいんだろ、時雨。」
「だが俺は魚の焼死体を食べる趣味はない。」
俺が言ったとたんに碧は俺の脛を蹴った。
最初のコメントを投稿しよう!