人間のくせに魔界の支配者に歯向かうなんて愚かしいな。

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あと生徒会がもう一人いた。いつの間にか俺の空いている左隣に座っていたもう一人の会計、加治木千里-カジキ チサト-。生徒会の中で唯一俺の僕だ。 「時雨…一緒に…た、べる。」 「零亜だ、零亜。」 「れ、零亜…。」 因みに生徒会は人気投票で決まる。だから顔が良い奴ばかりがなるのだ。顔が良いだけで上の立場にいるなんて…。強さなら俺が一番だ。 「ほら!嵐獅もよるも勇人も綾人も大地も俊夜も座れよ!!!」 他数名がそれぞれ座り、碧も渋々座った。 完全に嵌められた。ダークマター、生徒会を使って包囲網を張るとはなかなかのやり手だ。俺はまんまとこの罠にかかって逃げられなくなった。油断していた…。 ダークマター達は悠々とメニューを決めはじめる。ダークマターは迷った挙げ句、俺に尋ねた。 「時雨は何にしたんだ!?」 「…鯖の焼死体定食。」 「焼き鯖定食、な。俺もそれにしよ!」 「し、…零亜と…同じ。」 ダークマターに続いて忠実なる会計が言った。うん、俺を参考にするのは良いことだ。 「じゃあ、俺も…。」 「藍と同じ…。」 「それなら…。」 そんなわけで何故か全員鯖の焼死体定食を食べることになった。
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