人間のくせに魔界の支配者に歯向かうなんて愚かしいな。

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SIDE:千 初めまして。零亜様こと羽橋時雨様の親衛隊隊長をしている薄氷千だよ。 僕はちらっと零亜様のいるテーブルを見た。何故か全員焼き鯖定食を食べていて、小等部の頃の給食を思い出した。僕も焼き鯖定食にすればよかったな…。 「時雨!好き嫌いはよくないぞ!!!」 「やはり俺は魚の焼死体なんて口に出来ない…!」 嫌そうに顔を歪める零亜様、可愛い。零亜様は本当は優しい方なんだよ。今は一時の病におかされているだけ。 零亜様の可愛さは伝えきれないくらいあるんだよ。 零亜様はちょっと子供っぽいところがあるの。痛いのに弱いけど強がるところ、好き嫌いもあるところ。 あと、零亜様は佐伯様の言うことは聞くの。佐伯様に懐いてて、何だか態度が違う。 「時雨、早く食べろ。食べないと明日の朝食は鯖のフルコースだ。」 「なっ!?人間の分際でこの俺を脅すのか!」 「そうか、後で鯖を大量に買う。」 「…し、仕方ない。困った人間だ…。」 ほらね。僕には出来ないことをあの人はやる。羨ましいよ、殺したいくらいに。 「隊長!あの転校生、やっぱり零亜様に!」 「あ…うん。」 同じテーブルの隊員が怒って言った。そう、一番の問題は転校生。 「零亜様に聞いてみるね。」 転校生、制裁したいな。 SIDE END
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