732人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
荷物整理をしていると、ふとマネージャーが顔を上げた。
「あ、そういえばあんたがいない間に学園に転校生が来たらしいわよ。」
転校生か…。怪しい。怪し過ぎる。俺の身体の奥底にある闇の力が騒がしいのだ。もしや奴らの刺客か!?
「ふむ。」
俺は腕組みをして考え込む。ついに奴らが動き出したのだろうか。
「時雨、手は動かして。飛行機に遅れちゃうでしょ。」
定時で移動しなければならないなんて人間もまだまだだな。
しかし学園は久しぶりだな。学園を離れてもう二ヶ月になる。大悪魔の俺に学業なんて必要ないが、人間に合わせるのも悪くないから学園なんてものに入っている。
…気まぐれなだけだぞ。
「人間ごときが俺に命令なんてするな。」
「はいはい。もーこんなんだからわがまま王子なんて言われるのよ…。」
わがまま王子。別に気にしてなんていない。人間が俺を正しく判断出来ないのはわかっているからだ。
あ、紹介が遅れた。マネージャーの名前は桜木菜々-サクラギ ナナ-。割と綺麗な女だ。
「早くしなさい!時雨!」
人間は落ち着きがないな。
最初のコメントを投稿しよう!