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碧はため息をついた後に俺に言った。
「で、今回は何の撮影だ?」
…質問が多いな。流石、無礼者である。
「俺が魔界の支配者であることの素晴らしさを描いたも「時雨…?」…『これはデビルですか?』というものだ。」
碧に従ったわけじゃない。無知な人間に教えてやろうという支配者の心配りだ。
「で、何役なんだ?」
また質問か…。
「知る必要はない。」
人間が俺に深入りするのは禁物だ。支配者に対する侮辱行為と等しい。
すると今度は左頬を拳がかすめた。
「時雨、何役だったんだ?」
「…天使。」
俺が言うと碧は驚いた後に肩を震わせて笑った。
「て、天使って!はは、お前、大悪魔、ふはは、じゃなかった、はははのかよ?」
無礼者め…。俺だってこんな役やりたくなかったのに無能な人間ときたら、
「時雨君は絶対天使!似合うから!似合いすぎるから!」
とか言って…。無知は恐ろしいな。
「いつまで笑っているんだ。人間のくせに!」
現在進行形で笑っている碧に言うと、なおも笑いながら碧は言った。
「ふは、時雨、天使の方がはは似合うぜ。」
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