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声のした方を見ると、ダークマターがあった。黒いもじゃもじゃの髪に瓶ぞこみたいなぐるぐる眼鏡。謎の容姿をしたものがいた。
「チッ…。」
碧はそれを見た瞬間に顔を歪めて舌打ちをした。
「碧!そんなところで何やってるんだ!!!早く食堂行こうぜ!」
碧はゆっくりと俺から立ち上がり、ダークマターに向かって言った。
「俺を巻き込むな。帰れ。」
「なっ…。」
碧の言葉にダークマターはたじろいだ。
む、魔界の使者でありながら人間の言葉1つで怖気づくとは情けない。
俺は呆れながらソファーから起き上がるとダークマターとしっかり目が合った。
「お前もしかして、は、羽橋時雨!?」
「ふん、それは人間界での名だ。俺の真の名はクローシアン・零亜・パトリオット。お前、魔界の使者のくせにそんなことも知らないのか?」
俺が尋ねるとダークマターは首を傾げてつぶやくように言う。
「魔界…?何のことだ?」
「な、何!?」
こいつ、魔界の使者じゃない、だと…。まさか、スパイ…。やはり奴らの手先か…。
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