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「死神なんて、なにか見間違えたんじゃないですか?」
だが、男はぶんぶん頭を振った。
「違う!本当なんだ!音もなく現れて、一緒に居たやつが一瞬で殺されてしまった!そんなことが出来るやつなんて、死神しかいない!!」
男は狂ったようにそう叫ぶと、つまずきながら走ってどこかへ行った。
死神なんて…。でも少しだけ気になった。
もしかしてわたしの探している……。
落とした荷物を拾うのも忘れて、さっきの男が出てきた脇道へ吸い込まれるように翔狼は奥へ進んだ。
そこには死んでいる男ともう一人。
「あれ、珀狼?」
珀狼が立っていた。 当然ながら死神はいなかったし、翔狼の探している存在もいなかった。
「どうしてこんなところに?」
珀狼はちょっと気まずそうにぎこちなく答えた。
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