カルマの坂

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 月明かりだけで照らされた煙  臭い部屋の中、ベットの上で  陰が動いた。  「…何だ?何者だお前。」  低く、野太い声、それに見合  った図体。  ベットから降り、月明かりに  曝された姿は随分と醜い…  こいつ…  「お前が、この屋敷の主人か  ?」  「いかにも、そうだが何か?  そもそもお前は何だ!?人の屋  敷に勝手に上がり込んで!」  …その時、  「…ぁぅ、……。」  少女の呻き声。  …彼の中で何かが切れた。  「…おい、今の声は何だ。」  「まずは私の質問に答えたら  どう…」  男が文章を言い終わる前に、  少年は強く強くフロアを蹴っ  た。  驚異的な跳躍力。  剣をかざし、首もとに突きつ  ける。  「ひっ…!?」  「今の声は何だって聞いてん  だよ!?」  「あ、あああれは今日買った  女の奴隷だ!」  「彼女に何をした!!!」  「わ、ゎ私の所有物に何をし  たって私の勝手だ!!  それより、お前、金をやるか  ら今すぐ出ていけ!! な!? な  !?悪い話ではないだろう!?」  …怯えた顔で懇願する此奴を  本気でクズだと思った。  「テメェに情けなんて勿体ね  ぇよ。」  余りに非常なその声は、豚の  耳に突き刺さった。  次の瞬間、あがる血飛沫。  足下に首が転がった。 .
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