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「・・・・・。
どこにいんだろ・・・・。」
机の上でぐりんと頭を右斜め前に向ける。
そう、そこはカレの席。
まだ、黒くてぺったんこな学生カバンが、だらりとだらしなく机の横にかかっている。
「なんか・・・似てる。」
カレのだらりとした制服の着くずし方を思い出す。
た、た、た、たん。
「――あれ、咲ちゃん?」
「―――!!
さ、さなちゃん・・・・・」
夏の教室、開け放たれたドアの枠の中に、突然姿を現したのは、
―――もう一人のサナエちゃん。
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