ねぇ、ただ今、不足中。

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中学2年生の時、 仄香がドイツに住んでいた時、 付き合っていた男の子。 ふわふわした何も付けてない黒い髪と、 笑うと見える白い歯と、 柔らかいけど硬い、長い腕が好きだった。 好きでたまらなくて、告白したのは中学2年生の渇いた夏の日だった。 夏が過ぎて、 秋、冬、春と一緒に過ごして、 二回目の夏が巡ってきた時に、 私が日本の高校を受けるために日本に一時帰国。 彼はドイツに残ってインターナショナルスクールに通うコトを決め、 そのことで喧嘩してそれっきり。 「ここで終わりたくない」 っていう一言を、 2人とも言いだせずに、 私達の恋は、終わった。
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