鳥原亜紀の日記

4月13日（月）

八田君へ

はじめまして。
私は鳥原亜紀（とりはらあき）。

東都防衛学院 中等部 ２年２組。

君はまだ生まれたばかりだから、何がなんだか分からないと思う。から、説明する。

まず、君の名前は、「八田鴉（やたからす）」。命名は私。

ちなみに君の性別は男の子。

君は、東防学院の売店で私に買われた。

どうして私が君を買ったかというと、日記を書いてみようと思ったから。

話したいこといっぱいあるのに、誰にも話せないこととかってあるじゃない？

でも、言いたいことを溜め込むと、落ち着かないんだよね。
鳥がパタパタパタパタ忙しなく胸の中を行ったり来たりしてるみたいで。

で、そのうち感情が重りみたいになって沈んで、声が出なくなっちゃいそうな。

だから、この日記で書いちゃおう、と考えたんです。

つまり八田君、君は私の欲求不満のはけ口となるわけだ！

で、どうせなら『アンネの日記』みたいに日記に名前をつけようと思って、君に名前をつけました。

どんな名前がいいか考えたんだけど、君は東防学院オリジナルノートだから、表紙に3本足のカラス……八咫烏（やたがらす）の校章がついてるのね。

だからヤタガラスってことで、「八田鴉」。