4月13日(月)

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そのまんまだけど、なかなかカッコイイ名前でしょ? 君の顔面にはでかでかと「国語」って書いてあるけど、でもって最初の数ページは、実際に国語の授業内容のノートになってるけど、それは君の世を忍ぶ仮の姿。 本当の君は、私の日記。 そんなの、チラシの裏にでも書いておけ、なんて言わないでね。 チラシの裏さえ与えられない寮生活の身なんです。 とりあえず、こうやってカモフラージュしておけば、仮に間違って君をどこかに置き忘れたり落としたりすることがあっても、中身を見られずに済む可能性が高いでしょ。 それも国語のノートなんて、それこそ誰も中身見ないと思うのね。 そこまでする必要があるのか、って君は言うかもしれないけど、人間なんて信用できないから。 落とした翌日にはクラス全員に回覧されてたとか、有り得ない話じゃない。 「そんなひどいことするわけないよ」なんて思うなら、君はまだ生まれたばっかりで、人間のことを知らないだけ。 人間てね、弱い生き物なの。強くあるためなら、なんだってすると思う。 どこに敵が潜んでいるのか分からないんだから、カモフラージュは身を守るのに最適な手段。 とりあえず八田君、これからよろしくね。
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