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満月・・・
それは、まるで乳首のようだ
街を照らす月光
それは僕らを官能的にさせる
月のクレーターが餅をつくうさぎなら
君のクレーターはなんだろう
僕はクレーターに手を伸ばした
決して届きはしないのに
そして、満月を雲が覆った
女性の乳房を守る
ブラジャーのように
それは透けるような黒い雲だった
雨・・・
かみの毛が濡れる雨
しもの毛が濡れる夜
激しい雨は僕らを濡らす
濡れた布地は嫌いじゃない
雨の臭いが染み込んだ布地
それは僕らを官能的にさせる
排水溝から水が溢れている
いつもとは違うどろどろとした水が
僕は落ちていた太く固い棒を拾い上げ
自分の使い慣れた
右手でしっかり握った
そして
今まで誰も
手入れをしていない排水溝を
その太く固い棒を器用に使ってかき回してみると
膜が破れた
「蛙の卵だろうか。」
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