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寮には入学式前日に引っ越している
だから、今日も美紗と寮から登校した
「今日、智紗の部屋にいってもいいかしら?」
その質問に美紗と目を合わせた
部屋に呼べば、また男だとバレる可能性が高まる
けど、断るのは奈々子にも悪い
……いつか通る壁だ。それにバレそうだからって断ってばかりすればいつかは疑われる
春から母さんによって仕込まれたんだ……一人称がわたしに自然になるまで
これから、男だとバレるとか気にしない
そのときはそのときだ!
「いいよ、ぜひ来て」
「ありがとう」
お礼と共に首を傾けながら笑った
束ねてある髪が揺れ、顔立ちの良い奈々子の笑顔を見て、不覚にもドキッとした
「わたしも行って良い?」
「もちろんいいよ」
不測の事態の時のために美紗がいてくれると助かるからね
「そろそろ終わりよ。HRを行うのでみんな席に座って」
「じゃあ夕方頃遊びに行くわ」
そのまま奈々子は前を向いたので、僕もしっかりと前を向き直した
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