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「……拓海です」
ドアをノックしながら名前を出すと、いつもの声が聞こえゆっくりとドアを開けた
「今日はあなたに話があるわ」
何畳あるかわからないほど広い部屋に前に一人、母さんが座っていた
橘 涼子
現在の橘家の当主である
「なんでしょうか」
普段の母さんは普通の母親だが当主モードの母さんには頭が上がらない、そんなオーラを纏っている
「美紗が千華女学園に入学することは知っているわね」
「はいっ」
僕が返事をすると、一瞬迷いがあるような表情を見せて、しばらく間があってから、問題の言葉を発した
「橘 拓海、あなたも美紗と共に私立千華女学園に入学することを命ずるわ」
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