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「ありがとうお前のおかげだ!」この涙声でおれの肩によりかかってきたやつは捕手の久保鈴。
涙と泥で顔もユニホームもぐちゃぐちゃである。
おれは球児としてあろうことか、この汚れたユニホームに嫌悪感を感じるのだ。
おれは露骨に嫌な顔をした。
「ごめん、汚いんが嫌いやったな。ちゅか嬉しないん?甲子園よ!」鈴は必要以上に大きい声と大きい手ぶり、そして大きい体を震わせていた
おれはそんな鈴の言葉を無視してユニホームを脱ぎ、自転車で球場をあとにした
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