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あの《鬼》がジョークを? などと言った考えが浮かんだのを、生徒達は否定しない。
「好きに私を攻略して貰って構わない」
観衆=生徒の視線を集めても尚、余裕の笑みを崩さない《鬼》が、ユラリと一歩前へ進む。
呼称=《鬼》→由来≒柔道+剣道+空手=12段の実力者。
《鬼》の気迫→生徒は恐れる≒虎を前にした徒手空拳の戦士。IF.かの《鬼》に立ち向かえる→赤子か阿呆か。
「あ、あの。そのジョーク、笑えませんよ?」
柔和な瞳+スッと通った鼻梁=中性的――そんな顔立ちの、緑のくせ毛の少年は勇気を持って口を開く。その声=妙に甲高い+震えている。
「私が嘘を吐いた、と?」
獰猛な笑い声は否定を意味していた。生徒達はそれを感じ取る→散り散りとなり、《鬼》を取り囲み始めた。(※息の合った行動は、日頃の訓練のお陰)
「私は敵だ。多対一を恥じるな。全力で、来い!」
《鬼》の発言を受け→生徒が一人、走り出した。緑の髪が特徴的な=さきほど《鬼》に質問を投げかけた少年であった。
恐怖を捨て、《鬼》へと迫った少年→拳を突き出す←お世辞にも綺麗とは言い難い≒無茶苦茶なフォームの攻撃。それは、《鬼》の太い五指にガッチリと捕まれた。
その掴んだ拳を乱暴に振るい離す《鬼》。
「の、わっと!」
緑髪の少年は地へとダイブする→マットへと叩き付けられる。耳をつんざくような痛々しい音。もし、マットがなかったならば……
生徒⇒己の獲物を改めて認識する。
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