最高×友情=話

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 鬼たる《鬼》の前に立ち塞がろうという勇者=馬鹿は消えた。若干14歳の若者達はその場で足踏む。  今この瞬間=最低最悪の訓練に、生徒は恐怖する。中には、泣き出しそうな表情を浮かべる者までいる始末。 「そちらから来ないならば――こちらから行かせて貰おう」  地面は泣く。大地への蹴りは、それを可能とした。  猪突に駆け出した《鬼》≒一陣の颶風(ぐふう)は、迷う事なく一線→前にいた何人もの生徒を押し退け、更に突き進む。  狂い泊まらぬ暴走列車の如き姿に、更なる恐怖を覚えた数人の生徒→《鬼》に背を向け、逃げようと走って/次ぎなる餌食となる。  最初の息の合った行動≠今の状況=阿鼻叫喚の世界。  戦意を削がれし中学生は、右往左往×縦横無尽に走り廻る。地獄=一室からの脱出を試みる者もいたが、ロックの掛かった扉は開く事を知らない。  ――そんな中にあっても勇者=彼女はいた。  身体=細身を振るい、髪=黒いストレートをなびかせ、鷹(たか)を思わせる吊り上がった瞳に闘志を爆発させ、彼女=絶世の美少女は――駆ける。  その先=《鬼》の背中=死角へと走る少女。  猛然と駆け、逃げ惑う生徒を屠(ほふ)る事に夢中な《鬼》は、その存在に気付かず、その身に彼女の体当たりを/受ける事は無かった。
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