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彼女は気付く=疾走の軌跡から《鬼》の姿が消えたという事実@勢い余って、前のめってしまった時に。
反射的にグルリと前転=無様に転ぶ事なく→難無く立ち上がる事を可能とする。右手を地に沿え→勢いよく跳ね上がり→振り返り→《鬼》と対峙。
彼女は歯を噛み締め、怒る。上には上がいると言う=事実を憎むが故/自身の実力の無さ=事実を恨むが故。
願望≠オンリーワン。願望=ナンバーワン。それを叶えたいが為に、彼女は思う――こんな所で、負けて良い理由など無いのだ、と。
彼女は、吠え→雷撃の様相=《鬼》に肉薄する。
《鬼》は猛然と腕を突き出し/彼女はそれを避ける=顔面を狙った張り手を据えた目で見切り、膝を曲げ腰を落とす→《鬼》の攻撃が空振る。
彼女の線の細い顔=高陽が顕(あらわ)となる=笑顔が自然と漏れた。対して、《鬼》のゴツい顔=表情が変わらない=悪魔の破顔。
数瞬の中→彼女は第二撃を察する。
《鬼》から放たれるそれ=蹴り→彼女は腕でガードを築き、余裕で備え→その攻撃を止め/られなかった。
「――っ」
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