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「あおちゃんは、もう通院しないで大丈夫よ…時々、健康診断には来て下さいね」
「ありがとうございました。 ところで、るなは…どうでしょうか?」
るなの話題に切り替わると、獣医さんは表情を一変させて言います。
「頑張っているけど、人間なら危篤状態よ…お父さん…毎日でもいいから面会に来て下さい。 今日も好きなだけ居ていいから…」
「…ありがとうございます」
カタコトと揺れる、あおちゃんのカゴを持って保育器の前に行きます。
「…るな…」
保育器の中には、見た目にもハッキリとわかるほどガリガリに痩せ細った…るながいました。
『…あ…父ちゃん…』
『苦しいだろうが…飯を食え…』
『…父ちゃん…父ちゃん…』
狭い保育器の中を…たった5センチほどの距離を…数分間かけてヨロヨロと近付いて来ました。
『るな…動かなくていいから…』
『…父ちゃん…父ちゃん…』
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