18人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
るなと父ちゃんは…ガラス越しに見つめ合い、目で会話をします。
『父ちゃん…寂しかった…』
『そうだよな…寂しかったよな…るな…ゴメンな…』
『…父ちゃん…』
『…ん? 何だい?』
『……バイバイ…』
るなは、じっと父ちゃんの目を見たまま…お別れのイメージを伝えて来ました。
父ちゃんも、るなとの別れが近いことを感じてはいたが…認めたくなかった。
しかし、言葉では言い表せないような焦燥感や悲痛な感覚に襲われ、目に涙が浮かんで来ました。
「…なんがバイバイか…お前…飯を食え!」
思わず声を荒げ…この小さな娘を叱ります。
獣医さんや他の方々は、このオッサンとセキセイインコのやり取りを見て、驚いていました。
そして、また2人だけにしかわからない目での会話が続きます…
『るな…』
『バイバイ…』
『…るな…』
『バイバイ…父ちゃん…』
『母ちゃんと、息子…お前の兄ちゃんも、後から来るから…バイバイなんて言うな…』
最初のコメントを投稿しよう!