バイバイ…

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「るなは、ダンナが大好きだったから…きっと顔を見て安心しちゃったんですよ」  獣医さんも頷きながら、るなの入院中はどうであったかを教えてくれました。 「普通なら、とっくに死んでいる状態が続いていたのよ…るなちゃんはもの凄く頑張って、生きようとしていましたよ…」  るなを連れ帰り、落ち込む父ちゃんと奥様。  暫くして息子が帰って来ましたが、雰囲気で何が起きたのかを悟ったようです。 「まさか…るなが?」 「…そのまさかだよ。 るなは頑張ったけれどね」 「…クッ…」  悔しそうに歯を食いしばる息子は、るなを労いたいと言って来た。  まだ雛だった るなを探し出し、名前を付けたのは他でもない息子だ。 鳥とはいえ、るなを実の妹のように可愛がっていたのですから当たり前です。
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