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イクセルは振り返ることなく、蒸気機関車に乗る。 「イクセル!」 トリーシャがイクセルを呼びとめようとするも、彼は見向きもしなかった。 トリーシャの黒髪が風に揺れると同時に蒸気機関車が発車の合図である汽笛を上げる。 扉が閉まると、イクセルは少しだけ振り返って小さく呟いた。 「心配かけて、ごめん」 表情も伺えず、その声はトリーシャの耳に届く事はなく、蒸気機関車は発車してしまった。
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