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(まさか、名取先輩があんなモノを履いていたなんて)
刀子が窓から校内に入ってきた時、彼女が着地した際に偶然にもスカートの中を見てしまったからだ。
(学院一の美少女、名取先輩があんなにもアレな――ダメだ。こんなことを考えるなんて、ぼくは変態じゃないか)
善司は赤面しながら何度も首を横に振り、頭の中の映像を打ち消そうとする。
気付けばもう、そこに刀子の姿はなかった。
(名取先輩が幻のパンツ――じゃなくて、幻のパン《クサナギ》を手にしていたから、残りはあとひとつ)
今は亡き(生きてるけど)、想一と長太郎が喉から手が出て銃を撃つ程に欲しがっていた《クサナギ》。
だったら、ひとつだけでも購入しようかと善司は考える。
(色々と終わった今なら、安全に買えるかも)
転がる長太郎を一瞥し、善司は購買部の売店の入り口の前に立った。
そして、意を決して中に入ろうと一歩、足を前に踏み出した時――
「止まれ」
背後から心臓を貫くような冷たい声がして、後頭部に硬い金属みたいな何か――銃口を突きつけられる。
「そのまま、ゆっくり手を上げろ。従わなければ、撃つ」
相手は本気だ、と善司は相手の言うとおりに両手を頭上にやった。
「よし。今度は静かに膝をつけ。それ以上は何もするなよ?」
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