1.木曜日正午。授業の終了を

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(まさか、名取先輩があんなモノを履いていたなんて) 刀子が窓から校内に入ってきた時、彼女が着地した際に偶然にもスカートの中を見てしまったからだ。 (学院一の美少女、名取先輩があんなにもアレな――ダメだ。こんなことを考えるなんて、ぼくは変態じゃないか) 善司は赤面しながら何度も首を横に振り、頭の中の映像を打ち消そうとする。 気付けばもう、そこに刀子の姿はなかった。 (名取先輩が幻のパンツ――じゃなくて、幻のパン《クサナギ》を手にしていたから、残りはあとひとつ) 今は亡き(生きてるけど)、想一と長太郎が喉から手が出て銃を撃つ程に欲しがっていた《クサナギ》。 だったら、ひとつだけでも購入しようかと善司は考える。 (色々と終わった今なら、安全に買えるかも) 転がる長太郎を一瞥し、善司は購買部の売店の入り口の前に立った。 そして、意を決して中に入ろうと一歩、足を前に踏み出した時―― 「止まれ」 背後から心臓を貫くような冷たい声がして、後頭部に硬い金属みたいな何か――銃口を突きつけられる。 「そのまま、ゆっくり手を上げろ。従わなければ、撃つ」 相手は本気だ、と善司は相手の言うとおりに両手を頭上にやった。 「よし。今度は静かに膝をつけ。それ以上は何もするなよ?」
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