1.木曜日正午。授業の終了を

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彼らが通うのは、私立東都防衛学院――日本を含む次代のアジアを担う“精英樹の育成”を目標に掲げ、創立された防衛教育組織だ。 国内では初となる防衛教育組織・東都防衛学院の中等部では、中学校学習指導要領に準拠した一般基礎学――平たく言えば、ごく普通の中学校と変わらない授業も行われている。 それと平行する形で防衛基礎学――防衛要因としての使命を果たすための精神教育、戦闘技能を養うための教育を受けている。 防衛基礎学の主な授業内容は、屋内での射撃訓練や屋外での実践訓練といったもの。 日々銃火器の扱いを学び、兵士になる訓練を積んでいる。 彼らの存在はこの時点ではまだ、世間一般にはそこまで浸透していなかったが。 この先起こる前代未聞の事件をきっかけにその存在が知れ渡り、とある名称で呼ばれるようになる。 ――《武装中学生》。 主に揶揄する形でだが。 「急げ! 遅いぞ、二人とも!」 「長太郎。ひとり出遅れたくせに仕切るなよなー」 「ま、待ってよう」 東都防衛学院中等部二年二組に所属する彼らは、長太郎を先頭に階段を全速力で駆け降りる。 階下にある食堂に隣接する購買・イザナギを目指して。
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