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「鈴ーっ!」
退屈な授業が終わり、6時限目終了のチャイムとともに、私の元に 寄ってくる由香里。
「なに?」
少し、そっけなくなってしまった────かもしれない。
「今日も……帰れないの?」
「うん、ごめんね」
私はいつも、帰りは1人だ。ずっと、前から。ってわけではない。──秘密を持つようにしてから、だ。
「そっかぁー。まぁ、由香里は部活だからいいかなぁー」
「由香里はマネージャー……だよね?」
「そ。剣道のねーっ」
そうだ。由香里は見かけによらず、剣道部のマネージャーだったんだ。
それが、サッカーとかだったらまだ納得出来たのだけど……。 剣道は意外だった。
「頑張ってね」
「うん、啓くんのためだもんーっ」
まぁ、理由は昔から付き合っている1つ上の 先輩の彼氏が剣道部に所属しているからなの だけど。
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