始まり始まり

2/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
ある雨の日の夕暮れ時 羅生門の下に一人の男がいた。 男は右の頬のニキビを「いや、俺ニキビないし。清潔さは守ってる!」 あの…語り手に突っ込むの止めてくれません? …とにかく男がいた。 この男、ある屋敷の奉公人をしていたのだが、言うことを聞かない怠け者だったので一昨日、主人から暇を出されたのだった。 それから、何をすることもなく、この羅生門の下で過ごしていたのである。 幸いこの羅生門には誰も近づこうとはしなかった。 なぜなら、不況によりここら一帯の町は衰弱し〈省略〉この羅生門に死体を捨てに来る者まで出たのである。 だから、こんな気味の悪い羅生門に来る者などいない。 まぁ、そんなことを気にしない人もいるが…
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!