ある初夏の日

1/10
前へ
/10ページ
次へ

ある初夏の日

(ヴィオ坊っちゃん・・・・・・) 懐かしい声に呼ばれたような気がして、庭に出た。 初夏のすがすがしい風が緑を揺らす庭を見渡すが、 少し離れたところに庭師の青年と、メイドが二人見えるだけで、 他には誰も見あたらない。 「確かに聞こえた気がしたのにな・・・」 あの声は、今見えている誰の声でもない、 懐かしい声だった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加